NZ旅行(3日目ー③)ホビット村完結編〜ウェリントンへ飛ぶ

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ホビット村の散策はつづく

 

ひとしきりホビット村をまわったところで、待ちに待った場所へ到着した。

 

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グリーンドラゴンの酒場。

原作では緑竜館として知られ、映画でもホビットたちが集まる場所として描かれている。

ラストで、サムがロージーにアタックする場所でもある。ワクワクが止まらない。

(念のため。これは映画のセットではなく、観光用に後から作られた場所らしい。)

 

 

いつの間にか陽気なお兄さんガイドが消え、運転手だったおじさんガイドが何かを叫んでいる。

グリーンドラゴンに着いて、一瞬気を抜いたわたし。

大声を出すおじさん。

ちょっとだけ数字が聞こえたが、全く聞き取れなかった。おそらく出発時間に関する話だ。

 

 

刹那、これまでツアーに参加していたメンバーの位置を確認する。

3組の目立つカップルに目をつけ、彼らの行動をマークすることにした。

 

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ツアー代金には、グリーンドラゴンのドリンク一杯分が含まれている。

アップルサイダー(可愛い名前だがアルコール)を注文し、建物の中を散策する。

別料金で食べ物を注文することもできたが、出発時間が分からず、目印にしている人たちが急にいなくなっても困るので、飲み物だけをちびちび消費し続けた。

 

分からないことは ガイドに聞けよ、と思うだろうが、この時の私はポンコツの極み。

スマホという文明を握りしめているにもかかわらず、google翻訳を使うという発想がない。

ツアーに日本人がいたのに、助けを求めることもしない。

なんとかなるっしょの精神だったが、思っていた以上に気を張っていたらしい。

 

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店内には、グリーンドラゴンの間取り図、ビルボの鞄、シャイアの地図。

中学生の頃、この地図をひたすら眺めて過ごしたなあと思い出した。

指輪物語を読みながら、巻頭の地図を何度も見返した記憶がよみがえる。

そういえば、巻頭の地図では飽き足らず、結局中つ国の地図がどっさり載っている本を購入した。

実家に置きっぱなしで、しばらく読んでいない。

この旅行で各ロケ地をまわるのだ、帰ったら絶対に実家から取り寄せよう。

 

 

数人をマークしていたおかげで、グリーンドラゴンの中はもちろん、周辺でも十分に遊ぶことができた。

おじさんが再集合の合図を出したときも、いち早く反応。

大きなテントの中でバイキングの食事を楽しみ、お土産屋さんも存分に散策した。

あまりグッズにお金を投資しないタイプだが、ポストカードとマグネットを購入した。

 

夢のような時間は、あっという間に過ぎ去っていった。

 

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帰りは再びバスに乗って、オークランドまで戻ることに。

 

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このバスはホビトン内の移動に使うもの。別れを惜しみつつ撮影。

おじさんガイドが運転するマイクロバスに乗り換え、オークランドを目指す。

 

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通過する道のどこにでも羊がいた。

この写真はまだ密度が低い方。さすが、人口より羊の方が多い国だ。

 

帰りのバスで、おじさんガイドはほとんど喋らなかった。

この後、他のツアーに複数参加して気づいたのだが、どのガイドも行きはテンション高めに話してくるが、帰り道では唐突に無口になる。

参加者のことを気遣ってのことだろうか、どのツアーも共通だったのでおもしろかった。

確かに帰り道にはワクワク感がおさまってくる。

静かに感動を噛み締めながら帰路につくのは、冒険の終わりって感じがしてとてもいい。

 

今日は素晴らしい日だった・・・楽しかった1日が終わってしまう・・・と一抹の寂しさを感じつつ、窓の外を過ぎ去っていく無数の羊を眺めていた。

 

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目が覚めて、時計を見た。

おかしい、出発してからかなりの時間が経過しているのに、まだ市街地に入っていない。

なんだかトイレも行きたくなってきた。今どこだ?

 

google mapを開くと、ホビット村とオークランドを結ぶ最短距離のルート上から、大きく外れたところにいるではないか。

不安を抱えつつ、車は走行を続ける。

他の参加者は平然としている。ルートを大きく外していることに、誰も気づかないのだろうか。

 

突如、道のど真ん中で車が停車した。異国の地に一人で飛び込んだわたしは身構える。

おじさんガイドが叫ぶ。

 

「道を間違えたので戻るぜ!みんなスマン!(意訳)」

 

ま、まままままマジ!?!?

そんなことあるのか!?ほとんど分岐のない田舎道、しかも何回も行き来しているルートではないのか!?

そしてわたしはトイレに行きたい。ものすごくトイレに行きたい。

もう車に乗って2〜3時間近く経過している。トイレに行きたい。

 

Uターンするよりも、先に進んで分岐をうまく曲がったほうが早くオークランドにつけるらしい。

バスは何事もなかったかのように前進し続け、乗客も何事もなかったかのように眠り始めた。

おおらかでいい国だ。こういうのを求めて私はニュージーランドに来たのだ。

 

 

しばらくしておじさんが再び叫ぶ。

「バスルームに行きたいやつはいねえか?」

 

バスルーム??どうした急に??

もう心は全身全霊のパニック。トイレに行きたい。

周囲の外国人が「No」と口々に答えているのを横目に、「はっえっお風呂・・・?」と日本語を漏らす始末。

バスは何かの施設を通り過ぎて、オークランドへ迷いなく進んでいった。

 

 

恥ずかしながら後に調べてわかったが、バスルームはトイレのことだった。

トイレットじゃないのか・・・・と己の無知を嘆く。

英語をちゃんと知らないと、トイレに行くチャンスを逃すことにつながるのだ。

 

 

予定より大幅に遅れて、バスはオークランド市街地に入った。

おじさんガイドがまた喋り始めた。どうやら、乗客を希望の場所で降ろしてくれるようだ。

乗客ひとりひとりに、降りる場所のヒアリングを始める。

みんな◯◯施設の目の前で!とか、◯◯ストリートの角で!とか、結構細かく指定していて、OKじゃあ次にそこへ行くねって感じでバスが移動していく。

 

私はホテルに荷物を置きたかったので、「◯◯ホテルで!」と叫んだ。

 

 

「うーん、そこはダメだ。次の場所で降りてくれ。スマン。」

 

 

理由はわからなかったが、ホテルは容易に却下された。

なぜかスカイタワーの目の前で降ろされ、ホビット村ツアーは幕を閉じた。

もはや記憶が曖昧なのだが、確かスカイタワーのトイレに駆け込み、事なきを得た。

 

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日の入りが20時台のオークランド

道を間違えてしまっても、まだまだ明るい。

今日は夜の飛行機でウェリントンへ向かう。

お迎えの車が来るまで1時間ほど空いていたので、市街地で腹ごしらえをすることにした。

 

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オープンテラスの店では、観光客だけでなく地元のおばちゃんたちや、仕事帰りのサラリーマンが集まっていた。

そこら中にこんな感じのお店がある。最高だ。

 

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簡単な英語には少し慣れてきたので、店には緊張せずに入れるようになった。

白ワイン(1枚目、左はお通し)とフライドポテト(2枚目)を注文。

このポテトが最高に美味だった。

熱くてカリカリ、中はホクホクのポテトに、ハードタイプのチーズをスライスしてのせ、オリーブオイルと塩で味を整えている。

これは無限にいける。油に塩に脂肪、人類をダメにする成分の塊だ。

明らかに一人前の量ではなかったが、余裕で完食した。

 

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ホテルに戻ると、ツアー会社の担当者が迎えに来てくれた。

オークランド空港まで送ってもらう。英語のできない海外一人旅行初心者なので、大変ありがたいサービスだ。

 

余裕を持って検査場を通過したかったため、空港レストランでの食事は諦めて、早々に出発エリアへ向かう。

が、なぜか搭乗口についてしまった。保安検査場はどこだ?

うろうろしても見当たらず、まさかもしかして・・・と思ってググる

 

これはニュージーランド旅行最大級の衝撃だったのだが、どうやら国内線では荷物検査がないらしい。

 

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平和なニュージーランド、ありがとう。

オークランドを飛び立ち、ウェリントンへと向かった。